夢野母子ホーム
「主任×新人 スタッフ対談」
Yさん(主任)保育士
Hさん(2年目)社会福祉士
「ここなら安心して!」
母と子をみんなで支え、
明るい未来へつなげてゆきたい。
- Q1母子ホームの特徴は?
-
生活に便利な環境で専門スタッフや病院・学校と連携し、
アフターフォローもあり安心。
- Y主任
- ここはお母さんとそのお子さんが安全・安心して暮らせる場の提供と、自立を支援するための施設です。入所の理由はDV・虐待の経験をしておられる方が増えてきていますね。
- Hさん
- 緊急性が高く、受け入れの時は母子ともに疲れていますので「もう大丈夫、安心して。」って思います。
- Y主任
- そうね。まずは私たちが母子に寄り添い、安全・安心を確保すること。そのうえで、様々な専門スタッフ・関連機関(学校・子ども家庭センター・病院等)と連携して適切な対応を心掛けてゆかないといけませんね。法人内には児童養護施設や救護施設等様々な施設があり、それぞれのスタッフが協力してくれるので私たちも心強いです。
- Hさん
- 生活するうえでも、バス停・コンビニ・スーパー・ドラッグストア・学校が近くて便利ですし、支援学校も徒歩圏内にできたので、発達障がい等の子どもたちにとっても大きなメリットですね。退所された方と、コンビニやバス停で会った時に気軽に声をかけていただいた時はとてもうれしいです。
- Y主任
- 加害者である夫を頼ったりしない為にも、退所後のフォローはとても大切ですね。退所後は近くに引っ越される方が多いので、困ったことがあれば気軽に声をかけて欲しいですね。
- Q2ここで働くきっかけは?
-
お母さんとお子さんの力になりたい!
明るい職員さんと一緒に働きたい!
- Y主任
- 保育士として保育園で働きたかったんですが、ご縁があってこちらに来ました。やりがいがあり良い上司・仲間に恵まれたお陰で、はや30年です。
- Hさん
- 私は福祉大学の学生だったので、学校の紹介でアルバイトに来たのがきっかけです。母子ホームというと閉鎖的なイメージでしたが、ここは皆さん普通にくらしているのに驚きました。また、職員さんが明るくてあったかくて、私も一緒に働きたい!もっとお母さんや子どもたちの力になりたい!と思ったんです。
- Y主任
- 実はアルバイトの時から、Hさんはちゃんとわきまえて配慮ができる、このまま就職してくれたらいいなと思っていたのよ。
- Hさん
- ありがとうございます!光栄です。でも、アルバイトと職員は全然違いますね。今思えば、アルバイトの時はほんの表面を見ていただけ。職員になると個々の複雑でデリケートな背景を把握しなくてはなりません。どう接したらいいのか戸惑うこともあり、先輩の接し方や距離感などを見習ったり、相談しながらの日々で。
- Y主任
- 本当にケースバイケースなので、私たちだって常に試行錯誤です。ありきたりですけど、相手の立場に立って考えること、お母さん子どもたちに寄り添うことから始まります。「無理せず、焦らずに」と母子に声をかけながら自分にも言い聞かせているときがありますよ。
- Q3どのようなお仕事をしていますか?
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お母さんに寄り添い、安全・安心に暮らせるよう職員が個々の力を発揮。
- Y主任
- 私は主任として、個々の職員が力を発揮できる環境を作り、とどこりなく運営できるように常に考えています。職員は常勤・非常勤、年齢・資格・性格もさまざまで、子ども大好きおじいちゃん(施設長です)チャキチャキ明るいおばちゃん、おっとり優しいお兄ちゃんや気の利くお姉ちゃん、などいろいろですが、みな意識が高くチームワークも抜群、安心して任せられます。Hさんは2年目の期待の新人で、子どもたちのお姉ちゃん、お母さん世代には妹のような存在よね。
- Hさん
- アットホームな職場なので、すぐに溶け込むことができました。今は主に、子どもの担当で、宿題を見たり不登校の児童のフォローをしたり、赤ちゃんのおむつ替えも上手になってきました。常に、お母さんそれぞれの方針や母子関係も理解して接するように努めています。
- Y主任
- 子どもに寄り添いながらお母さんの意思を尊重することを忘れてはいけませんね。お母さんの状態が安定すると、子どもも落ち着いてきます。おっとりしているようで仕事への情熱と意欲が旺盛、ベテラン職員もフレッシュなHさんの姿に、初心を思い出し刺激をもらってます。
- Hさん
- ありがとうございます。緊急の受け入れや夜勤。先輩の補佐としていろんな仕事を経験させてもらっています。早く一人前になって任せてもらえるように頑張ります。
- Q4喜びややりがいを感じるのはどんな時ですか?
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「ありがとう」と心を開いてくれた時や、
退所して元気に暮らしていると聞いた時。
- Y主任
- 何も問題なく1日が終れること、お母さんや子どもたちの明るい笑顔や明るい声が喜びでありやりがいになりますね。
- Hさん
- はい、わかります。お母さんから「助かったわ、ありがとう」と言われたり、子どもがニコッとしてくれたり話しかけてくれたり、些細なことが原動力になります。入所時、反抗期だった子が徐々に心を開いてくれて、退所してから会いに来てくれた時は感動しました。
- Y主任
- わざわざ「H先生いつ出勤しているの?」って聞きに来てくれましたからね。母親や私たちには話せない事でも、Hさんには聞いてもたいたかったんですね。
- Hさん
- 姉のように慕ってくれているので力になってあげたいと思っています。ただ、お母さんの立場も考えないといけないので、そこは気を付けています。
- Y主任
- そうね。いつか私たちから離れ、本人たちが望む場所で笑顔で暮らせるよう、うまく導いていけるといいですね。私たちの目に届かないところでも元気で暮らせていると分かったときは、本当にうれしいものです。
- Q5これからやりたいことや夢は?
-
みんなが笑顔で暮らせるように。
まずは目の前のことに真摯に取り組みます。
- Hさん
- 子どもたちが笑顔になれる新しいイベントを開きたいですし、お母さんをちゃんとサポートできるようになるのが目標です。そのためにも、まずは目の前の仕事に真摯に取り組まなくてはと思っています。将来的には、社会福祉士の知識を生かして私ならではの何かができるようになりたいと模索中です。
- Y主任
- 頼もしいですね。まずは、安全・安心な暮らしが確保できるよう、日々、みんなで力を合わせて丁寧に取り組んでいきたいと思っています。実は、ここを巣立っていく時は、喜びと心配と祈りとで、複雑です。ちゃんとご飯を食べているかな、学校に行っているかな、元夫に連絡をとっていないかな…と心配は絶えません。残念ながら、再び戻ってくる方や他の施設でお世話になる方もいます。そんなことがないよう、いろんな機関が連携し、考え、実践を続けなくてはと思いますね。理想は、ここにいた事や私たちのことを忘れてしまうくらい、充実して明るい毎日を送ってくれることですもの。
- Hさん
- そうですね。いつの日か、こうした施設が不要になるくらい、みんなが笑顔で幸せに暮らせる世の中になりますように!と願います。